| 4チームによるホーム&アウエーで行われている、2006年ドイツW杯アジア一次予選。第5戦の相手はオマーン代表だ。ここまで4試合を戦い全勝で勝ち点12の日本代表だが、日本戦以外は着実に勝ち点3を重ねているオマーン代表も、日本戦での勝利で一次予選突破の確率が高まるだけに、油断はできない。両チームにとってまさに大一番だ。
ここで、この試合の結果から一次予選突破争いがどのように推移していくか、まとめてみよう。
・日本の勝利、引き分け⇒最終節を待たずして日本の一次予選突破が決定
・日本が敗れた場合⇒両国が勝ち点12で並び、最終節で一次予選突破チームが決定
さらに最終節を終えて、日本、オマーンの勝ち点が並んだ場合(相手がそれぞれ格下のシンガポール、インドのため、このシナリオは現実的である)、実はこの第5戦の持つ意味が非常に大きい。
(1)今回の試合の得失点差が1(0-1、1-2etc)の場合
両国の直接対決の得失点差も並ぶため(第1戦は1-0で日本勝利)、一次予選全体の総得失点差が多いチームが一次予選突破
(2)今回の試合の得失点差が2以上(0-2、1-4etc)の場合
両国の直接対決の得失点差を比較すると、オマーンの方が多いため、オマーンが一次予選突破
負けさえしなければ一次予選を突破できる状況だが、何が起こるのかわからないのがサッカー。ましてやアウエーでの一戦だけに、予断を許さない状況だ。
日本のキックオフで始まった前半。いきなりゴール前でピンチを迎えた。2分には、左サイドのスローインをつながれ、ペナルティエリア内からクロスを上げられてしまう。だが、DF加地が体を張ったブロックを見せる。続く4分には左サイドからのFKでハイボールを逆サイドに送り込まれ、DF田中がマークを外されてスライディングシュートを許してしまう。だが、これはゴール右に外れて事なきを得た。
立ち上がりに押し込まれたからか。一次予選の突破がかかる大切な試合だからか。慎重とも、硬いともとれる動きの日本代表は、序盤、ほとんどチャンスを作ることができない。前半8分にこそ、左サイドからMF中村のアーリークロス→右サイドに走りこんだMF福西の折り返し→中央のFW鈴木が飛び込む、という流れのある攻撃を見せたが、以降は沈黙。自陣に全員が押し込められる場面も目立った。得意のセットプレーもカウンターに結び付けられ、一気に自陣ゴール前まで運ばれてしまうことも。
前半30分を過ぎると、攻め疲れか、オマーン代表にもミスが目立ち始める。すると、31分には、FW高原がオマーンDFのパスミスを奪い中央に切れ込んで、エリア外から左足を振りぬく。だが、これはGKに阻まれた。高原にはさらにシュートチャンスが訪れる。44分。中央からのMF小野の縦パスを、中村がスルー。虚を突かれたオマーン守備陣にぽっかりと空いたスペースに高原が走りこむが、完全にボールを保持することができずに、最後はDFにクリアされてしまった。
得点される気もしないが、得点できる気配もなかった前半。後半立ち上がりも重苦しいムードが漂ったが、いまや代表のエースに指名されるまでになった鈴木が先制弾を叩き込んだ。
後半7分。相手ペナルティエリア左サイドを中村が縦にドリブル。利き足の左足でボールを一度止めるそぶりを見せつつ、逆足でボールをさらに縦に進め、相手を半身振り切ると、ファーサイドにクロス。中央の高原を越えたボールに、オマーンDFの背後から忍び寄った鈴木が、豪快に頭であわせた。地面に叩きつけたボールは、ニアサイドに寄ってきていたGKの足元を抜け、ゴールに吸い込まれた。
先制したことで余裕が生まれた日本。試合に落ち着きを取り戻したが、最大のピンチが直後の後半12分に生まれてしまう。ゴール前に放り込まれたロングボールに、相手FW、DF宮本、GK川口が飛び込み、3人が交錯。ボールがこぼれてしまう。これがオマーン側にこぼれ、無人のゴールにシュート。だが、ゴールマウスの中に入っていた田中が、胸でしっかりとブロック。すばやく戻った川口が抑えて、絶体絶命のピンチを逃れた。
その後、鈴木通訳が退場になるというハプニングもあったが、左サイドの三都主がジーコの指示をしっかりと全選手に伝える。ロスタイムの4分もピンチらしいピンチはなく、このまま逃げ切りに成功。一次予選全般を通じて苦しみぬいた日本代表だったが、第6戦のシンガポール戦(11月17日)を残し、まずは2006年に向けての第一関門を突破した。
一次予選、アジアカップを通じてチーム力をレベルアップした日本代表は、来年3月にも、強豪ひしめくアジア二次予選に挑むことになる。 |