| オシムジャパン第2戦は、アジアカップ最終予選のイエメン戦だ。前回のトリニダード・トバゴ戦から、A3で代表に合流できなかったG大阪、千葉所属の選手を加え、現時点での国内組ベストメンバーとなった。
GKは川口。引き続きキャプテンマークを左腕に巻く。DFは右にドイツW杯組の加地、中央は、坪井、闘莉王の浦和コンビ。左にはドイツW杯で加地のバックアッパーだった駒野が入った。中盤はボックス型。阿部、鈴木のアテネ五輪組がボランチを務め、攻撃は左に三都主、右に遠藤。ジーコジャパンに呼ばれていた2人がポジションを移して戦うのも興味深い。2トップは、ジーコジャパン時代の東アジア選手権でも実現したことがある、巻と田中達也のコンビだ。
試合開始から実力差の違いは浮き彫りだった。日本はボールを失うことがほとんどない。それもそのはず。イエメンは全員が自陣に引いて完全にスペースを埋めている。だが、日本は、両サイドを崩したり、ミドルレンジからのシュートを打つことはできるものの、得点の匂いを感じさせることができない。
それでも前半14分、最初のビッグチャンスが生まれた。駒野からの左サイドからアーリークロスに合わせたのは巻。ヘディングシュートを放つ。これは惜しくも右ポストを直撃してしまったが、こぼれ球は田中達の前へ。田中達は右足を思い切り振り抜いた。だがイエメンGKも、こぼれ球に素早い寄せを見せ、体の正面でセーブする。はじかれたところを、さらに田中達が押し込もうとしたが、最終的には戻ってきたDF2人にクリアされてしまった。
その後も何度か決定機を生み出すが、長年の課題、決定力不足なのか、得点が奪えない。ボール回しも遅く、敵DFが左右に振られないため、スペースもまったく見当たらない。露骨なまでのイエメンの時間稼ぎによって生まれた、前半ロスタイムの5分間でも、ついに先制点が生まれることはなかった。
後半開始からオシム監督が動いた。左SBの駒野を下げ、中盤の羽生を投入。就任時から、いや、ジェフ千葉監督時代から口を酸っぱくして日本人選手に言い聞かせている「リスクを冒してでも攻めに行け」ということか。そのジェフ時代の愛弟子、羽生は、期待に応える動きを見せる。前線、中盤で精力的に動きまわり、スペースを空けにかかる。後半24分には、その羽生がペナルティーエリアの手前中央から、ドリブルを開始。右に流れながら縦に入る隙をうかがう。そこにセットプレーで残っていた闘莉王を見つけると、くさびを入れてワンツーで右サイドを突破。ゴールライン付近からシュートを放ったが、これはマンマークでついていた敵DFにブロックされてしまった。
だが、羽生の献身的かつ精力的な動きが実を結んだ。後半25分、羽生のシュートで生まれた右CK。三都主のゴールに向かって曲がってくるボールに、中央からニアに飛び込んできた阿部がヘディングシュート! スピードはそのままに、角度だけが急激に変わったボールは、地面を叩いてゴールへ。日本の待望の先制点は、オシムの教え子の活躍から生まれた。
1点を失ったイエメンだが、それでも守りを固め続ける。日本の勝利はほぼ確定した。だが、できれば追加点がほしいところだ。そして待望の追加点はロスタイムに生まれた。決めたのは終了間際に投入されたFW佐藤寿。中盤右サイドからの三都主のFKに、DFのマークを外してヘディングシュート! GKがはじいたリバウンドに鋭く反応し、自ら詰めて利き足の左足でゴールを奪った。兄の佐藤勇が投入されていたため、日本代表史上初となる双子同時出場を達成した直後に、祝砲を挙げた格好。そして、日本人離れした決定力の高さも見せつけた。
試合はそのまま2-0で終了。危なげなく勝利を奪ったが、膠着した攻撃には課題が残った。オシムイズムが浸透するには、まだまだ時間がかかりそうだ。
(yoshikatsu.net制作チーム) |